ジャワ舞踊グループ Sanggar Pamungkas

インドネシアの秘宝といわれる優雅で美しいジャワ舞踊のグループです。

インドネシア語

インドネシア語  2005年4月1日更新

NHKでインドネシア語講座が始まるそうです。テキストにはバリの踊り手ユリアティをフィーチャーし、とても楽しい内容です。

インドネシアには250ほどの言語が存在しますが、インドネシア全国を統括する言語はインドネシア語です。インドネシア語はマレーシアやインドネシアにおいて通商に使われていたマレー語が元になっています。したがって非常にシンプルで、英語や日本語のような複雑な文法に悩ませられることもありません。余談になりますが、私が卒業したハワイ大学では、2年間の外国語学習が義務付けられていました。日本語や中国語などの言語はいつも人気が高いのですが、その分挫折者も多く出ます。単位が取れれば良い、という学生の中でインドネシア語は抜群の人気でした。理由はいうまでもありません。でもその中から次第にインドネシアに興味を持ち、研究者が数多く育っていったことも付け加えておきましょう。

私が始めてインドネシアに行った時には、全くインドネシア語を話すことができませんでした。かろうじてマカン(食べる)という言葉を知っていたのみです。ところが2ヶ月ほど経つと日常生活に関する言葉はほとんど使えるようになりました。「楽勝じゃん」と思ったのもつかの間、「地方語」の高い壁が立っていました(もちろんフォーマルなインドネシア語もとても難しく、ビザを申請したり、論文を書くときには苦労しました。世界どこを探しても簡単な言語などないのですね)。

ジャワ島では主に「スンダ語」と「ジャワ語」の2つの言語が使われています。私の滞在していた中部ジャワはジャワ語圏です。ジャワ語圏ではあれ、国語のインドネシア語は使えるはずなのですが、ところがどっこい、私が始めてジャワに行った頃は、標準語としてのインドネシア語はあまり使われていませんでした。

特に音楽や舞踊の先生はお年よりが多く、彼らの使うインドネシア語はあまりにも強いジャワ語訛りで、何度聞いても意味不明。インドネシア語で表現できない部分はすべてジャワ語になってしまいます。それもそのはず、彼らにとって、オランダがいたときはオランダ語をしゃべらされ、日本がインドネシアに侵攻したときには日本語をしゃべらされ、独立後はインドネシア語。彼らにとっては確実なものはジャワ語で、インドネシア語も外国語の一つなのです。互いに片言の外国語をしゃべっているような状態で、本当に伝えたいことが伝えられない、伝わってこない、というもどかしいシチュエーションを何度も経験しました。

現在ではテレビなどの普及により、若い人を中心に標準的なインドネシア語を話せるようになりました。踊りや音楽の学習をするときも、芸術学校の先生を中心に、とても詳しく的確にインドネシア語でなんでも説明してくれるようになりました。しかしジャワの文化を学んでいる我々にとっては全くジャワ語なしに生活していくことは不可能です。たとえば歌の歌詞、踊りの動きなどはすべてジャワ語です。しかし80年代までは、完全なジャワ語を話さない限り、ジャワ語は使うな、という風潮が強く残っていました。理由は数々ありますが、最大の理由として、ジャワ語は日本語と同様敬語が高度に発達していることがあげられます。その使い方を誤るとお年寄りや身上に対して失礼に当たるからです。その点、身分制度を根底から排除したインドネシア語であれば、少々ぶっきらぼうな言い方でも失礼にはあたりません。

もちろん外国人がジャワ語を話すことが奨励されないという現実を乗り越えて、ジャワ語をマスターした先輩たちが多くいることも事実です。ジャワ語の壁は私にとってもまだまだ高いものです。

(Kaoru Iijima)

  1. 2006/06/01(木) 18:54:22|
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